定点調査
辞任は妥当、でも原発再稼働にはやっぱり反対!? 混迷深める新潟県知事選
新潟県知事選に関する世論調査(第1回)(新潟県知事選挙)
この調査結果はリサーチコムがメディアに発表したオリジナル調査です。
本調査へのリンクはフリーです。データを転載・引用する場合は、リサーチコムの調査であることを明記してください。
ジャーナリスト・山田遣人
~ 調査の詳細 ~
自動音声による世論調査、市場調査を手がけるリサーチコムの電話調査で、女性問題が発覚した米山隆一・新潟県知事の辞任は妥当とする一方で、原発再稼働には依然として反対の声が根強いという地元の悩ましい現状が浮かび上がってきました。
米山氏は原発再稼働に慎重な立場を掲げてきたためで、政策ではなく、知事としての素質を問われることになった今回の事態に、有権者たちの戸惑いが透けて見えるようです。依然として自民党は高い水準の支持を集めていますが、安倍内閣については不支持が逆転。次の知事候補の政党については特にこだわらないと答えた層も多く、次期知事選は混迷を深めたままと言えそうです。
調査実施日:2018.04.21(土)~22(日)
調査概要:新潟県知事選挙
調査地域:新潟県
有効回答数:1,449
設問数:5問
調査対象(コール数):22,000
有効回答率:6.5%
電話調査 スクリプト内容
<第1問 米山県知事の辞職の判断についてどう思いますか?>週刊誌による女性問題報道に端を発した今回の辞任劇に、実に3分の2以上の層が「妥当だと思う」「どちらかといえば妥当だと思う」と答えました。政策面のつまずきではなく、知事個人の“素質”が取り沙汰されてしまった格好ですが、有権者は実に厳しい目を向けていると言わざるを得ません。 一方で、「辞職するほどのことではない」「何があっても辞職してほしくなかった」と期待を寄せた層も4人に1人を超え、「待望の反原発知事」の失脚が、地元に大きな爪跡を残していることが窺えます。
<第2問 どの政党を支持していますか?>自民党の強さが目立ちますが、それを抑えて「支持政党なし」が4割近くに迫っています。かつて「自民王国」と言われた新潟県も、政党離れの風は容赦なく吹きつけているようです。 一方、野党第一党となった立憲民主党は17%の支持を集め、他の野党から頭抜けた存在感を放っています。
<第3問 安倍内閣を支持しますか?>逆風が強くなってきたと言わざるを得ない安倍内閣への支持は、「支持する」「どちらかと言えば支持する」を合わせても40%に止まり、逆に「支持しない」「どちらかと言えば支持しない」を合わせた60%に大きく水をあけられています。支持政党なしと答えた多くの層が不支持に回ったと考えられるほか、自民党支持層の中にも、不支持と答える有権者が増えてきたと言えそうです。
<第4問 どの政党の知事候補者を応援しますか?>ここでは非常に興味深い結果が出ました。 次にどの政党の知事候補を支持するかという問いに、与党・野党がそれぞれ23.3%、24.6%とほぼ拮抗。そして半数以上の52.1%が、「特に政党のこだわりはない」と回答しています。先の国政での支持政党を問うた結果を加味すれば、与党支持者の全部、もしくは野党支持者の全部が、次の知事候補を所属政党で全面支持するわけではない――。そんな風に言えそうです。
<第5問 原発再稼働について賛成ですか?>国政を二分する原発再稼働問題。今回の調査では、再稼働に「NO」と答えた層が「反対」「どちらかといえば反対」を合わせ、73.7%と圧倒的多数を占めました。それでも、4人に1人は「賛成」または「どちらかといえば賛成」と答えており、国策をめぐる議論が次の知事選挙に及ぼす影響はやはり小さくなさそうです。 以上のような調査結果から、現職知事の辞任に端を発する新潟県知事選は、原発再稼働議論を色濃く内包したまま、従来の政党の影響力が弱まっていく中で次期選挙が行われそうな雲行きとなってきました。 もちろん、連日混迷を極めている国政と安倍政権の行く末によっては、大きなうねりも予想されます。リサーチコムでは、引き続き新潟県知事選を取り巻く世論の動きを定期的に調査して参ります。
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