市場調査データ 電力自由化に関する意識調査 ~調査詳細内容~

電力自由化は思うように進まず!? シニア層は水道料金に不満も
電力自由化に関する意識調査

この調査結果はリサーチコムがメディアに発表したオリジナル調査です。
本調査へのリンクはフリーです。データを転載・引用する場合は、リサーチコムの調査であることを明記してください。

ジャーナリスト・山田遣人

~ 調査の詳細 ~

 自動音声による世論調査、市場調査を手がけるリサーチコムの電話調査では、「電力自由化」が思うように進んでいないシニア層の実態が浮き彫りとなってきました。
 今回の「電力自由化」は、東日本大震災による電力不足を契機に、国全体で電力供給のあり方が改めて問われて実現した家庭用電力の自由化を指します。これにより、各家庭が自由に電力会社や料金メニューを選べるようになりました。
 それでもシニア層では、なかなか電力会社の切り替えなどには至らず、むしろ水道料金や電話料金にも不満を持っていることが見て取れます。
 シニア世代の電力事情に何が起こっているのでしょうか。調査結果から見ていきましょう。

調査実施日:2018.03.17(土)

調査概要:電気代や電力自由化に関するアンケート

調査地域:全国

有効回答数:633

設問数:4問

調査対象(コール数):30,030

有効回答率:2.1%

 <第1問 最近の電気代は、おいくらぐらいですか?>

 まずは現在の電気料金ですが、シニア世代はいくらぐらいかかっているものなのでしょうか? 子どもが独立するなどし、家族の規模が小さくなっていることを反映してでしょうか、10,000円以内と答えた方が半数近くを占めます。さらに、15,000円以内と答えた3割弱の層を加えると、実に約70%の方々がこの金額の範囲に収まりそうです。  20,000円以内という層も15%と無視できない数ですが、概ね、想像のつく範囲内に収まっていると言えそうです。


<第2問 いま契約している電力会社を切り替えたいと考えたことはありますか?>

 ここにシニア世代のリアルが色濃く表れています。  まず、「現状に満足しているので切り替えない」と回答した層が、実に約40%に上ります。さらに、「検討はしてみたものの現状維持」と答えた層も、約3割に達します。つまり、最終的に「何も変わらなかった」方々が全体の7割ということになります。  一方、「現在、切り替えを検討中」「今後切り替えを検討したい」を合わせた層が約5人に1人、結果的に切り替えた方々が約10人に1人、といった割合で続きます。新しいサービスには比較的保守的と指摘されるシニア層ですが、電力自由化の恩恵を十分に受けているとはまだまだ言えなそうです。ただし、集合住宅等では居住者全員の賛同が必要であることも多い事情から、必ずしも個人の意志とは言えない面もあります。


<第3問 電力会社を切り替えるとしたら、何を基準に選びますか?>

 電力会社にとっては、興味深い結果と言えるのではないでしょうか。  切り替えの検討に際し、「電気代や料金プラン」を基準に判断する層が多いことは、容易に想像がつきそうです。しかし、それに続く判断基準として「停電など万一の際の安心感」を筆頭に挙げた層が5人に1人を超えています。  念頭にはもちろん、東日本大震災を始めとする大災害や、日本中を驚かせた「計画停電」の影響があることは間違いないでしょう。安心のためは多少の出費は厭わない――。そんな心理が透けて見えるようです。  それに比べると、他サービスとのセット割引やトータルのお得感はいま一歩、契約者の心に届いていない印象です。


<第4問 もっとも不満に思う公共料金は何ですか?>

 意外にも(?)水道料金がトップとなりました。実に2割を超える層が、現状の水道料金に不満を持っていることが分かります。とかく「高い高い」と不満が聞こえ、現に仮想移動体通信事業者(MVNO)等との壮絶な駆け引きの渦中にもある「電話代など通信費」を抑え、ガス料金のほぼ倍の数という結果は驚きと言ってよいでしょう。  それでも、約4人に1人は「特に不満はない」と回答しており、“福祉大国ニッポン”の面目躍如といったところかも知れません。  今回の調査結果からは、生活インフラの最重要ライフラインの1つと言っていい「電力」の自由化について、十分に恩恵を享受しているとは言い難いシニア層の実態が浮かび上がってきました。もちろん、各社の料金サービス競争はまだまだこれからでしょうし、シニア層のための魅力的な設計商品も登場してくれば、様相はガラッと変わるのかも知れません。  他方、「安心・安全・安定」への希求は、これからも益々大きくなっていきそうです。「安かろう悪かろう」が身に染みているシニア世代だからこそ、「低料金」だけではその心を動かせないと言えるのではないでしょうか。  電力各社、ひいてはその他の生活インフラ各社も、大いに頭を悩ませて、シニア世代にも魅力的な料金サービスを打ち出していくことが求められています。


<性別>
男性345件45.9%
女性406件54.1%



<年代>
80歳以上161件22.0%
70代268件36.7%
60代185件25.3%
50代73件10.0%
40代30件4.1%
30代7件1.0%
10代または20代7件1.0%







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