シニア世代の3人に1人が次もガラケー!? 買い換え理由も「壊れたから」
携帯電話に関する意識調査
この調査結果はリサーチコムがメディアに発表したオリジナル調査です。
本調査へのリンクはフリーです。データを転載・引用する場合は、リサーチコムの調査であることを明記してください。
ジャーナリスト・山田遣人
~ 調査の詳細 ~
自動音声による世論調査、市場調査を手がけるリサーチコムの電話調査で、携帯電話やスマートフォンに対するシニア層の保守的な受け止め方が改めて浮き彫りとなりました。米国アップル社製のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の大ヒットや、検索大手Google社が牽引する「Android(アンドロイド)」を搭載した多彩なスマートフォンがメーカー各社からラインナップされ、日本国内でも急速に普及が拡大しています。
他方で、「ガラパゴス・ケータイ(ガラケー)」と揶揄されるほど日本独自の目覚ましい発展を遂げた従来型の携帯電話も、まだまだ存在感を残したままです。
シニア世代では果たしてどちらに軍配が上がるのか。改めてガラケー&スマホ事情を調べてみました。
調査実施日:2018.04.07(土)~08(日)
調査概要:携帯電話及びスマートデバイスの利用状況について
調査地域:全国
有効回答数:435
設問数:5問
調査対象(コール数):15,006
有効回答率:2.9%
<第1問 あなたは携帯、スマホ、タブレットを持っていますか?>実に納得のいく結果と言えるでしょう。シニア世代のほぼ半数がガラケーを持っていると回答しました。さらに5人に1人以上が、スマホを持っていると回答しています。 驚きなのが、ガラケーとスマホの2台持ちの方々と同程度以上に、スマホとタブレットの2台持ちのシニア層が現れていることです! 携帯ショップなどで販売員に勧められたり、携帯キャリア各社のキャンペーンが功奏したりしているということでしょうか。それとも大画面で目が疲れない等の理由によるものなのかも知れません。 忘れてはいけませんが、どれも持っていないと答えた層も15%います。もはや固定電話等で身近な人との連絡は十分、ということなのでしょうか。
<第2問 旧来の携帯を使い続ける理由は何ですか?>必要にして十分――といったところでしょうか。ガラケーからスマホへの移行において、最大の障壁と見る向きも多い「料金が上がりそうだから」を「難しそうだから」が抑えたことよりも何よりも、「通話とメールで十分だから」がなんと過半数に達しました! あれこれと様々な機能を、主にアプリをインストールすることで自由に追加できるのがスマートフォンの最大の魅力。しかし、シニア層にとってそれはまだまだ「魅力的」には映っていないのかも知れません。
<第3問 スマホを購入したきっかけは何ですか? >それでは、敢えてスマホを購入したシニア層はどんな理由で買い換えに踏み切ったのでしょうか? 真っ当な理由として「旧来の携帯では物足りないから」と答えた層と同じぐらいに、「旧来の携帯が壊れたから」と回答した層がそれぞれ12%前後で拮抗しています。つまり、「ガラケーでも十分に満足していたが、壊れたのでどうせならスマホに」というシニア世代らしい堅実な判断が見て取れます。 ただし、何か具体的な機能やメリットを挙げてスマホの購入に踏み切る層は、まだまだ多くはないと言えそうです。
<第4問 タブレットを購入したきっかけは何ですか?>一方で、タブレット型端末の購入に踏み切った層は、どんな理由からだったのでしょうか? ここでは「旧来の携帯では物足りないから」という、やや曖昧な理由を抑えて、「画像や動画を見たいから」「インターネットを使いたいから」という層が共に7%超います。やはりタブレットを利用しているシニア層は、その利用イメージをある程度は意識して購入していることが分かります。確かに写真や動画そしてWebサイト等の閲覧には、画面が大きいタブレットの長所がより活かされると言えるでしょう。
<第5問 あなたが次に買い換えたり買い足したりしたい端末はどれですか?>なかなか興味深い結果が見えてきました。次の買い換え候補に「またガラケー」と答えた層がなんと37%と断トツです! 実に3人に1人以上が、次もまたガラケーを買って使い続けたいと考えていることになります。一方、日本では大人気のiPhoneを抑えて、「それ以外のスマホ」と答えた層が約15%と、こちらも比較的高い数値が出ました。国内携帯キャリアは、シニア層向けに特化したAndroidスマホをラインナップに加えるなどしており、その影響もあるのかも知れません。 以上のような調査結果から、シニア世代はまだまだ携帯電話を「連絡手段」として認識し、その機能に十分満足していることが窺えます。一方で、写真や動画の閲覧など、利用目的がはっきりしている場合では、タブレット端末の購入や利用にも否定的ではなさそうです。 ただし、同じ連絡手段として使えるならと、壊れたのを機にガラケーからスマホへ移行する層も確実におり、今後少しずつ広がりを見せてくると考えられます。 一つ言えることは、将来のシニア層へのスマホ普及のカギは、通話やメールといった「連絡手段」そのものの劇的な進化か、あるいはそれ以外のサービスがもたらすメリットを分かりやすく訴求できるかにかかっているという点です。そういう意味では、「スマホってガラケーと何が違うの?」という基本的な問いに、最もシビアなのはシニア世代なのかも知れません。
<性別>
男性 | 271件 | 41.6% |
女性 | 381件 | 58.4% |
<年代>
80歳以上 | 130件 | 20.4% |
70代 | 234件 | 36.7% |
60代 | 167件 | 26.2% |
50代 | 79件 | 12.4% |
40代 | 17件 | 2.7% |
30代 | 5件 | 0.8% |
10代または20代 | 6件 | 0.9% |